胸郭出口症候群ってなに??
胸郭出口において、腕神経叢や鎖骨下動脈が
圧迫、牽引されることで
上肢の感覚障害や運動麻痺、疼痛をきたす疾患です。
胸郭出口症候群ってどんな症状がでるの??
・頚部痛
・肩こり感
・握力低下
・巧緻運動障害
・上肢の疼痛やだるさ、しびれ
・冷え性
胸郭出口症候群はどんな人に起こりやすい??
![](https://mitton-sinkyuseikotuin.com/wp-content/uploads/2022/09/23797357_s.jpg)
圧迫型では筋肉質の30歳代の男性に起こりやすく
牽引型ではなで肩の20~30歳代の女性に起こりやすいとされています。
女性の好発年齢に関しましては書籍によって多少前後します。
圧迫型の男性では小胸筋や前斜角筋などの発達した筋肉により神経や血管を
圧迫することによって起こることがあります。
牽引型の女性の場合は、なで肩や筋力低下の影響で肩甲骨まわりが下垂しやすく
上肢が下に引っ張られやすくなることで、腕神経叢に牽引がかかり発症することがあります。
胸郭出口症候群はどうやって診断するの??
・モーリーテスト
➡鎖骨の上の窪みを圧迫することで、圧痛や前胸部、上肢への放散痛があるかをチェックする。
・ライトテスト
➡両上肢を挙上し90度屈曲、肩関節を90度外転、外旋させ橈骨動脈の脈が減弱、または消失してないを確認する。
アドソンテスト
➡頭部を症状の出ている方に回旋させ、深呼吸をした際に橈骨動脈の脈が減弱、または消失してないかを確認する。
エデンテスト
➡両肩を後下方に牽引し、胸を張らして橈骨動脈の減弱、または消失してないかを確認する。
その他の検査方法として
・頚椎MRI
➡頚髄や神経根での圧迫がないかを確認する。
・鎖骨下動脈造影
➡血管の圧迫がある場合に、どこが圧迫されているのかを確認する。
・腕神経叢造影
➡腕神経叢の圧迫や牽引状態を確認する。
・頚椎への単純X線
➡頚肋や第一肋骨の奇形や、鎖骨骨折がないかの確認をする。
・電気生理学的検査
➡手根管症候群や肘部管症候群など、末梢神経障害の確認をする。
頚肋…生活習慣または生まれつき頚椎 の
7個目の骨の突起部分が肋骨の
ように伸びてしまったもの。
場合によっては伸びた部分が神経を
圧迫してしまい手術適応となることがある。
胸郭出口症候群の治療方法は??
【圧迫型】の場合は
日常生活指導として
・上肢の挙上を避けてもらったりします。
リハビリとしては
・運動療法や温熱療法
薬物療法としては
・NSAIDsなどを服用
【牽引型】の場合は
日常生活指導として
・長時間の事務作業を避けてもらう
・荷物を手にぶら下げない(リュックなどにしてもらう)
リハビリとしては
・圧迫型と同じように運動療法や温熱療法を行いつつ装具療法を行うこともあります。
薬物療法としては
・圧迫型と同じようにNSAIDsや斜角筋へのブロック注射を行います。
【牽引型】に関しては基本的に手術になることはありません。
しかし【圧迫型】に関しては
・頚肋切除術
・第一肋骨切除術
・前斜角筋切除術
など手術適応となる場合もあるので注意が必要です。
胸郭出口症候群の予防方法は??
![](https://mitton-sinkyuseikotuin.com/wp-content/uploads/2022/09/24626689_s.jpg)
まずは腕や肩に負担をかけないようにしましょう。
腕をあげての長時間の作業やデスクワークは休憩をはさみながら行ったり
日ごろから湯船にゆっくり浸かったり、肩首を蒸しタオルなどで温めるのも効果的です。
また姿勢を気を付けたり、肩をすくめる運動などで筋力を鍛えたりというのも大事になってきます。
【胸郭出口症候群に対してのアドバイス】
この疾患は肩こりのような症状を訴える方が多く、痛みが少なく放置している方が多い印象です。
ひどくなってくると、上記にも記載しておりますが、力が入りづらかったり、細かい作業がしづらくなったり
日常生活での支障もでてくる疾患です。
「このくらい大丈夫」と放置せずに一度診察を受けることをお勧めします。